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つい先日、好きなミュージシャンが亡くなったことを知った。
彼の名は「デヴィッド・ボウイ」。


・ Under Pressureからはじまり、Under Pressureに終わる。
 
正直に打ち明けると、彼の楽曲で聴いた事があるのは「Under Pressure」だけだ。
学生のころからQueenの楽曲を好んで聴いていて、Under Pressureはその一曲という位置づけ。特に好んで聴くようになったのは、大学院に進んでからだ。
当時は院生としての役割が全うできず、進学したことを後悔していた。学費を払ってくれた両親にも申し訳なかったが、打ち明けることなどできなかった。
成果が上がらず自分がどこに向かっているかもわからない。何を目指していたのか、そもそも目的を持っていたのか……。そんな時、Queenのアルバム「Greatest Hits III」の2曲目に収められた、この曲に出会った。

・言葉はわからなくても。

アルバムを通して聴いていた時、Under Pressureが以前とは違って聴こえた。
特に楽曲の最後の部分、デヴィッド・ボウイが歌っているところが心に残ったのだ。
Cause love's such an old fashioned word
And love dares you to care for
The people on the edge of the night
And love dares you to change our way of
Caring about ourselves
This is our last dance
This is ourselves
(Under pressur)
(Under pressure)
(Pressure)
※()内はフレディ・マーキュリーが歌っている部分
この部分を聴いていると、彼に励まされ元気づけられているように聴こえた。
すぐに歌詞を調べ紙に書き写し、ことあるごとに見て彼の声を思い出し、自分を鼓舞した。
リピートし、何度も聴いた。
相変わらず成果は出なかったが、そこで挫けず修了し就職できたのはこの曲に支えられたことが大きい。(担当教授や両親には迷惑をかけてしまったが……)

・ありがとうデヴィッド・ボウイ。

Queenとデヴィッド・ボウイが出会わなかったら、ジャムセッションがなかったら。
この楽曲は誕生していなかっただろう。
そうなれば当時の私は、文字通りプレッシャーに潰されていたかもしれない。
今でも自分を奮い立たせたい時には、必ずUnder Pressureをリピートする。
これからも変わらないだろう。
「もう駄目だ、ここまでか」「もう一歩、ここが踏ん張りどころだ」重圧がかかる時、自分を鼓舞してくれる楽曲があるということの、なんと有難いことか。
さようならデヴィッド・ボウイ。
 
そして、心から、ありがとう。




Greatest Hits III
Queen
Parlophone
1999-11-12



CA3I0052-20160111
先日、こんなニュースを見かけた。

13人死傷の容疑者を「金持ち病」を理由に釈放するアメリカ 地獄の沙汰もカネ次第か

弁護側の証人となった心理学者の主張、
「この少年は、裕福な家の子どもが親から過剰に甘やかされ、物ごとの善悪が分からなくなる『金持ち病(affluenza、アフルエンザ)』に罹っている」
について、思うとこがある為書いておく。

・親の因果が子に報い

以前本ブログで紹介した「エチカ」の一節に、このようなものがある。
たとえばわれわれは、一度一つの対象によって強く動かされたために、後にその対象が目前になくとも、自分の目の前にあるかのように思いこんでいる人々にたまたま出会う。
~中略~
ところが反対に、けちんぼが、利殖や金銭のこと以外には何も気にとめず、また野心家は名誉以外のものをまったく意に介さないなどの場合、彼らは精神錯乱であるとは思われない。なぜなら、彼らはやっかい者であり、憎悪に値するものであると思われるのがふつうだからである。しかし実際のところ、吝嗇(=けち)、虚栄、肉欲などは、病気の中に数えられないにしても、やはり精神錯乱の一種である
第四部人間の隷属あるいは感情の力について 定理四四 注解
容疑者の少年がかかっている「金持ち病」なる病とは、この精神錯乱だと思う。
彼は死傷者を出す事故を起こし、保護観察処分になったが、その後違反して飲酒したことが発覚。国外に逃亡した。
国外逃亡を助けたのは母親というのだから、精神錯乱は母親譲りだったということか。

・治るものなのか?

彼にとって犯罪を犯してまで助けてくれる母親は、強い味方だろう。
父親が大富豪であることも大きく関係している。
家族が味方なのは喜ばしいことだが、ここでは真逆に働いている。
ならば、家族と絶縁して別な土地で暮らす位でないと、更生の余地はないと思う。

彼には最長120日間の少年刑務所暮らしが待っているそうだが、到底更生に足る期間とは思えない。
かといって自分から更生されようなど思わないものだから、出所後も似たようなことを繰り返すのだろう。
少年ではなくなり、本当に取り返しのつかない所にまでいかないとわからないものなのだろうか。


エティカ (中公クラシックス)
スピノザ
中央公論新社
2007-01





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CA3I0056-20160110
最近面白い本に出合ったのでここで紹介したい。

それは著 三宅隆太「スクリプトドクターの脚本教室・初級篇」である。


〇「スクリプトドクター」ってどんな職業?
 

スクリプトドクターという職業自体、知らない人も多いと思う。私もつい最近知った程度で、非常に知名度の低い職業だ。

主な仕事は「映画の脚本が行き詰った際、脚本を診断・助言して完成に導く」というものである。

本書では著者がスクリプトドクターになった実体験が紹介され、その他より深く映画を鑑賞する方法も書かれている。


〇ココが面白い

そのなかで特に注目したのは、この一節だ。


一見、関係ないように感じることでも、実は関係があるかもしれない。そう考えるほうが楽しいし、視野も広がります。よく考えてみたら、こんなにワクワクすることってないですよね?

~中略~

ぼくの授業では、ふいに映画と関係ない話になったり、そのとき扱っているトピックとはちがう話題になったりすることが多々あります。実はぼくの中では繋がっていて、だからこそその話題を口にするのですが、他者からは「話が飛んだ」と見えてしまう可能性は否めません(類推嗜好が得意な人は「例え話」が多くなる傾向があると言われています)。

そういうときに生徒のタイプが大きくふたつに分かれてしまうのです。

「ったく……また授業と関係ない話を始めやがって」という顔をして話を聞かなくなる生徒と、

「お、来た来た!」みたいな顔をして身を乗り出して傾聴しようとする生徒です。

どちらの生徒が伸びるかは言うまでもありませんよね。

ただし、彼らには「ぼくが感じている関係性」が「すべて見えている」わけではありません。

では、なぜ彼らは伸びるのか?

「一見、脱線に見えるぼくの話」に「自分の学びとの関係性を見出している」からです。

あるいは、「一見、脱線に見えるぼくの話」に「自分の学びとの関係性を見出せるかもしれないという可能性」に「気づいている」からです。

第2章 「関係ない」発言に要注意! 


これまでの自分を振り返ってみると、

・この分野は自分には「関係ない(興味ない)」と、特定の分野の本しか読まない。

・相手の話が脱線したとき、「関係ない」話に飛んでったよ……と、傾聴の集中力を落とす。

といったことをしていた。これでは自分の世界を狭めることにしかならない。

本を読む習慣があっても、効用は半減してしまうだろう。


〇今後に活かす

今後はこのような思考のクセを、

・意外にこの分野も「関係ある」かもしれないぞ。

・彼はなぜあの話からこの話に繋げたのだろう。

と改める。
 

そうすることで、これまでの自分では考えられなかった発見があるかもしれない。

その成果はこの場で報告し、記録としたい。


 

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