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最近面白い本に出合ったのでここで紹介したい。

それは著 三宅隆太「スクリプトドクターの脚本教室・初級篇」である。


〇「スクリプトドクター」ってどんな職業?
 

スクリプトドクターという職業自体、知らない人も多いと思う。私もつい最近知った程度で、非常に知名度の低い職業だ。

主な仕事は「映画の脚本が行き詰った際、脚本を診断・助言して完成に導く」というものである。

本書では著者がスクリプトドクターになった実体験が紹介され、その他より深く映画を鑑賞する方法も書かれている。


〇ココが面白い

そのなかで特に注目したのは、この一節だ。


一見、関係ないように感じることでも、実は関係があるかもしれない。そう考えるほうが楽しいし、視野も広がります。よく考えてみたら、こんなにワクワクすることってないですよね?

~中略~

ぼくの授業では、ふいに映画と関係ない話になったり、そのとき扱っているトピックとはちがう話題になったりすることが多々あります。実はぼくの中では繋がっていて、だからこそその話題を口にするのですが、他者からは「話が飛んだ」と見えてしまう可能性は否めません(類推嗜好が得意な人は「例え話」が多くなる傾向があると言われています)。

そういうときに生徒のタイプが大きくふたつに分かれてしまうのです。

「ったく……また授業と関係ない話を始めやがって」という顔をして話を聞かなくなる生徒と、

「お、来た来た!」みたいな顔をして身を乗り出して傾聴しようとする生徒です。

どちらの生徒が伸びるかは言うまでもありませんよね。

ただし、彼らには「ぼくが感じている関係性」が「すべて見えている」わけではありません。

では、なぜ彼らは伸びるのか?

「一見、脱線に見えるぼくの話」に「自分の学びとの関係性を見出している」からです。

あるいは、「一見、脱線に見えるぼくの話」に「自分の学びとの関係性を見出せるかもしれないという可能性」に「気づいている」からです。

第2章 「関係ない」発言に要注意! 


これまでの自分を振り返ってみると、

・この分野は自分には「関係ない(興味ない)」と、特定の分野の本しか読まない。

・相手の話が脱線したとき、「関係ない」話に飛んでったよ……と、傾聴の集中力を落とす。

といったことをしていた。これでは自分の世界を狭めることにしかならない。

本を読む習慣があっても、効用は半減してしまうだろう。


〇今後に活かす

今後はこのような思考のクセを、

・意外にこの分野も「関係ある」かもしれないぞ。

・彼はなぜあの話からこの話に繋げたのだろう。

と改める。
 

そうすることで、これまでの自分では考えられなかった発見があるかもしれない。

その成果はこの場で報告し、記録としたい。