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働き盛りの年代はもちろん入社して日が浅くとも、勉強のため、他に追いつくためと長時間働く人は多い。
周りの期待に応えたい、出世したい、ここが正念場だから……。理由は様々だが、健康を害しては意味がない。

先日、内閣府の経済社会総合研究所から、「労働時間と過労死不安」という研究が発表された。
近年は過労死がクローズアップされるようになり法律も変わったが、過労(死)が関わるニュースは後を絶たない。

日本人に特有かはわからないが、無理をして消耗してしまうのは昔も変わらなかった様だ。
僕の友人に学問といい人物といい、今の社会に稀有な立派な人がある。しかし、とかく身体を粗末にする。かつ僕が少し年長なるため婆心ながら「もう少し身体を大切にしたらよかろう」と忠告したところが、その時友人は「どうせ、人間、一度は死ぬものである。よく行ったからとて、長命するものではない」と言って笑ってしまった。
~中略~
もし読者中の元気旺盛な青年があって、この人と同じような思想を懐いている人があるとすれば、僕は友人に呈した苦言を再び繰り返して諸君の反省を求めたい。君等は幸いに精力旺盛であるから、大切にこれを貯蓄して、他日大々的利用を心がけるがよい。
修養 第八章 貯蓄
仕事上やむを得ない場合も多いが、命あっての物種である。
また命を落とすまででなくとも、長期の通院が必要になったり思うように身体を動かすことができなくなったりするのは、明らかに仕事の範囲を超えている。

その他、飲み会で付き合いと称して暴飲暴食したりするのは体力の乱費だ。
普段から軽い運動と相応の食事を心がけ、体力の貯蓄を心掛けたい。

では貯蓄した体力はどこで「大々的利用」をすべきなのか。
それは後日「知識の貯蓄編」として書くことにする。


修養 (タチバナ教養文庫)
新渡戸 稲造
たちばな出版
2002-07

 


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